【価格】古家、文化住宅の不動産業者の買受価格の算出方法
昨日、西成区天下茶屋北二丁目の土地の件で地主さんから相談をいただきました。
売却希望の査定依頼です。
近年、退去者に伴い空き部屋が増え家賃収入が減少。リフォーム改装して入居者を募集する余裕もないとの事です。
不動産の内容は、
土地面積は約130坪。
土地上には借家6戸と文化住宅1棟が建っている。
家賃収入は全体で約月額30万円。
取引条件は、賃借人付きの現状有姿で売却したいとのことでした。
建物は全て昭和30年代の建物。
築後約50年。
かなり古いですね。
今日は、土地上に古い借家や文化住宅が残っている場合の不動産業者の価格査定の算出方法ついて書いてみたいと思います。
まず、買主はこの不動産をどう活用するか、どう活用すれば収益を生むのかについて考えます。
そして、この場合の活用方法は3つに絞られます。
既存建物を大規模修繕して活用する。
既存建物を解体し、1棟マンション等を新たに建築する。
既存又は更地化して転売する。
査定の前に、まずは不動産の現状把握から。
そこで重要なのか調査です。
用途地域。建ぺい率や容積率、道路種別やライフライン調査などを行います。
私道負担やセットバックしなければならないのか等が重要です。
次に、既存建物を解体する場合は、この土地をどう活用するのかを検討します。
活用方法は、分譲住宅、賃貸マンション、民泊、駐車場、老人ホーム、介護施設などです。
例えば、1棟マンションなら高さは何階建て、いつらの戸数が取れるのか、どのくらいの収益が見込めるのか、ワンルームとファミリータイプのどちらがよいのか等です。
建売住宅なら、敷地面積から何区画取れるのか等を分析します。敷地をゆったり広い 2 階建て価格、敷地を狭く 3 階建した価格。どちら販売しやすいのか等です。
次に、土地の更地化です。
賃借人の明渡退去、既存建物の解体、測量が必須になります。
測量と解体については業者に見積もりを依頼すれば費用がでます。
更地化での問題点は、賃借人の明渡退去費用。
立退料はいくらとは決まっていません。建物賃貸借契約において賃借人は手厚く法律で守られています。
賃貸人に正当事由なくして賃借人を立退かすことは原則できません。「〇〇万円支払えば賃借人は立ち退かなくてはならない」というような法律もありません。
あくまで、立退き料は賃借人との交渉次第。
このように不確定要素が強い為、買主にとっては一番のネックです。
なぜなら、中には高額な立退き料の吊上げるために、退去を拒み続ける賃借人もいるわけです。下手すれば裁判にもなりかねません。
ましてや、住居と店舗では、立退き料も異なります。
とういうことは、買受側にとっては、立退料に最悪を見越した予算をとらざるを得ないのです。
最後に、予算組ができますといよいよ買受価格の算出です。
その建築物等の予定売上総額から設計費用や建築代金、更地化費用(解体、測量、立退料)、そして利益などを差引いた額が、売主に提示する業者の買受価格となります。
分譲住宅を例に挙げると、1区画3000万円の分譲戸建3区画で予定売上総額は9000万円とします。1区画あたり設計費用が100万円、建築費が1600万円,更地化費用が200万円、利益が100万円だとすると合計2000万。3区画で6000万円。土地代金は9000万-6000万=3000万。
この場合、業者が提示した買受価格は3,000万円と言うような具合です。
余談ですが、買受側にとっても最もリスクが低いのは測量が完了している「更地」ということになりますね(笑)。
それから、既存建物を大規模修繕して活用する場合は、収益物件ではおなじみの利回りでの考え方。
投資資金から何パーセント利回りで、何年で回収できるかとういう目安です。
因みに10%で利回りなら、単純に10年で投資資金を回収して10年後からが本来の利益になります。
古い建物なら利回り15%程度です。
これは、古い建物の為、これからかかるであろう修繕費を予算組しなければならないためです。
最後に利回計算から価格を出し、そこから修繕費用等を差引いた額が、売主に提示する業者の買受価格となります。
仮に、年間家賃収入が500万円。利回り10%で設定しますと物件価格が5000万円。そこから改装費が1000万円なら、4000万が売主に提示する業者の買受価格となります。
以上が買受業者の買受価格の算出方法になります。
是非、ご参考下さい。
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